Episode 1 レオス誕生!

レオス・キャピタルワークスは、2003年4月に「レオス株式会社」として設立された会社です。藤野英人(現・代表取締役社長)が、ファンドマネージャー仲間だった湯浅光裕(現・代表取締役副社長CIO)、証券会社で営業担当だった五十嵐毅(現CVO)とIR担当だったOさんに声をかけ、4名で創業しました。

運用会社や証券会社で安定した仕事についていた4人が、自分たちで会社をつくろうとしたのには理由があります。当時、日本の大手資産運用会社は、ほとんどが大手金融機関の系列企業でした。そのような状況を背景として、運用会社には、“親会社である銀行や証券会社で売れそうな商品の開発や運用”ばかりが求められていたのです。また、投資信託販売の現場では販売会社による売買手数料稼ぎともいえる営業手法も横行しており、「このようなビジネスがお客様のためになっているのだろうか」と感じる場面は少なくありませんでした。

4人の創業メンバーは、運用や営業などそれぞれの立場から様々なジレンマを感じており、「不平不満を抱え続けるより、自分たちで理想の会社をつくり、『清廉な企業理念を掲げ、長期的に企業収益を増大させる』という目標に挑戦しよう」と意気投合したのです。レオス・キャピタルワークスの「資本市場を通じて社会に貢献します」という経営理念には、「資本市場を通じて社会に貢献できることであればどんどんチャレンジしていこう」という、創業メンバーの一人ひとりの強い決意がこめられています。

社名は、スムーズには決まりませんでした。 最初に有力候補になったのは「ハースアセットマネジメント」。これは、“蓮の花は汚泥より出でて清し”という中国の宋の時代の言葉から、「泥の中からでも清らかさを保つ蓮のイメージを社名に入れよう」というアイデアで生まれた案でした。しかし、「UCLAの卒業生をハースと呼ぶらしい」ということがわかり、ボツに。「じゃあ、蓮は英語でロータスだから……」と考えたものの、当時の香港に「ロータスアセットマネジメント」という会社があったため、この案もお蔵入り。その後もさまざまな案が飛び交ったものの、これという社名はなかなか思いつきませんでした。

そんなふうにああでもない、こうでもないと話し合っていた中で候補となったのが“レオス”というワード。日本語で、「流れ」や「流動性」という意味を持ちます。「流れをつくる! どんな時代の流れにも乗っていける! これこそ、我々がやりたいことだよね!!」と一気に意見がまとまり、社名は「レオス株式会社」に決定しました。

ちなみに、社名検討時の蓮へのこだわりは、設立当初のロゴに残されています。左側のマークは、レンコンです。穴が開いているので、「先を見通す」という意味も込めました。また、「O」の文字には蓮の葉があしらわれています。

最初につくった名刺には、全員、「資本市場士」という肩書を入れていました。「私たちは資本市場を通じて社会に貢献するサムライなんだ!」という想いを表そうと考えたのです。

しかし、設立したばかりのレオスには投資運用のライセンスはなく、販売できる商品もなく、お客様もいません。当然といえば当然なのですが、本当にまったくのゼロからのスタートでした。

さて、侃々諤々の議論を経て決定した社名でしたが、ほどなくして「事業内容がイメージしにくいらしい」「私たちがやりたいことが社名に現れていなかったかも」という話がでるようになりました。このため創業から5カ月後、社名を「レオス・キャピタルワークス株式会社」に変更。資本を意味する「キャピタル」という言葉だけでなく、工房を意味する「ワークス」という言葉を入れたのは、「手触り感のある仕事をしていきたい」という思いを示すためです。この社名変更に表れているように、過去の決断にとらわれずスピーディーな変化も厭わず、柔軟性をもって前進していくというのが創業メンバーのスタンスで、これはいまのレオスの社風にもつながっているのかもしれません。

そして2003年12月。投資顧問業登録を終え、私たちはついに資産運用会社としての第一歩となる運用助言を始めることになりました。最初の仕事では、ベンチャー運用会社として他社と差別化を図るため、日本株マイクロキャップ運用の助言を特徴として打ち出していました。これが奏功し、時代に流れにも乗り、その後いくつかの国内企業年金基金や海外機関投資家への運用助言機会の拡大につながっていきました。


現在のレオス・キャピタルワークスのロゴが誕生したのは、2005年のことです。ほぼ創業期が同じで、今では世界的なデザインオフィス企業となったnendoの佐藤オオキさんに制作していただきました。ロゴにあしらわれた点の集まりは、点字で「レオス」を表しています。「目には見えないものや触れてみないと分からないものにこそ、企業の大きな価値や未来が潜んでいる」「目に見えない価値を結び付けて大きな流れを作り出したい」という、投資に対する私たちの想いを表現したものです。

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