運用部メンバーが語る、人生に影響を与えたマンガ7選

Rheos Now

私たちは、映画や本、ゲームやスポーツ、テレビ番組や芸術品、マンガなどに触れることによって、新たな価値観を知って感動したり、ものの見方が変わったり、思想や行動が変わることがあります。

特に、幼少の頃や学生時代に見たものや読んだもの、触れたものに大きく影響を受けたという方もいらっしゃると思います。

さまざまなモノやコトに触れてきた中で、今回は「人生に影響を与えたマンガ」について、ひふみ投信を運用する運用部メンバーに聞いてみました。

レオス・キャピタルワークス運用部メンバー
(左から八尾、佐々木、藤野、湯浅、渡邉、栗岡)

『火の鳥 黎明編』(著者:手塚治虫 出版社:株式会社KADOKAWA)

好きな漫画は『AKIRA』、『三国志』、『火の鳥』、『るろうに剣心』、『キングダム』、『聖☆おにいさん』、『パノラマ島綺譚』、『ゴールデンカムイ』、『ふしぎの国のバード』、『インベスターZ』、、、、うーん。数え切れない。。。
でも、人生に影響を与えた1冊となると、どうだろう。これだったら『火の鳥』かなあ。




『火の鳥』は、とにかく内容が深く残酷で悲劇的だけど、希望があります。

多くのことを学べ、考えるきっかけを与えてくれる素晴らしい作品だと思います。

代表取締役社長
最高投資責任者

藤野 英人
Fujino Hideto

『グリンゴ』(著者:手塚治虫 出版社:講談社)

僕も同じく手塚先生の、『グリンゴ』に影響を受けました。社内政治で秘境に飛ばされた日本人の主人公の葛藤と挑戦を描いた作品です。 


『グリンゴ』は、高校生のときから海外に留学していた私に勇気をくれました。
社会人になった今読むと、現代の日本を予想していたような内容に驚きを覚えます。

社内の人の顔色を伺うのではなくて、どんな逆境に立たされても社外で仲間をつくる。結果を残すために最善の努力をする。

今の日本企業に求められていることと、変わらないと思います。

本作は手塚先生が亡くなったため、未完です。

最終刊、最後ページの主人公が戦いへ挑む朝を描いた様子は、手塚先生の「日本の未来は君達に託した」というメッセージに思えてなりません。


運用部 シニア・アナリスト

栗岡 大介
Kurioka Daisuke

『ガクラン放浪記』(著者:弘兼憲史 出版社:講談社)

僕の人生に影響を与えた漫画は、『ガクラン放浪記』です。

少年マンガ雑誌『週刊少年キング』で連載していたのを中学生の時に読み、それまで知らなかった外の世界、自分からは物理的にも精神的にも何か縁遠い世界を知りました。




いわゆる不良・喧嘩マンガで、主人公が友人であったり、親であったり、色々な人とケンカをしていくストーリーなんですが、ケンカ相手の全てが主人公にとっては「自分の自由を束縛するもの」であって、自分の自由を守るために戦っているように見えます。

「勉強にしても仕事にしても、自由を得るためには、自分の環境は自分自身で開いていかないといけない」というメッセージが込められているように感じて、自分の将来を強烈に考えるきっかけになりました。


取締役
運用本部長

湯浅 光裕
Yuasa Mitsuhiro

『エリア88』(著者:新谷かおる 出版社:株式会社KADOKAWA)

僕は、『少年ビックコミック』の人気作、『エリア88』(©新谷かおる 発行:株式会社KADOKAWA MFコミックス全13巻)が印象深いですね。

これは単なるドンパチ的な戦争物ではなく、マクロ経済、金融、大国間の政治の駆け引きに翻弄される小国、戦争のメカニズムなど、当時の自分にはとても刺激的な内容でした。





このマンガで受けた刺激や考え方を下敷きにアルベール・カミュの『異邦人』の読書感想文を書いたところコンクールで入賞するという僥倖(ぎょうこう)に恵まれるなど、そういった意味でもとても印象深いマンガです。


『エリア88』は「友人」の裏切りによって中東の架空の国の外人傭兵部隊で戦闘機乗りとなり、結果として生き残るために戦争に身を投じることになった日本人を描いたものです。

一方、『異邦人』は主人公が「突発的」に一人のアラブ人を殺害してしまう物語であり、つまり両者は「人が死ぬ」ということを異なるアングルから捉えた作品ともみることが出来ます。


「人が死ぬ」ということは、戦争という事象の中では正当化されることもあれば、裁判によって有罪とされることもある、となると、結局のところ人間のご都合主義でその善悪は判断されていると糾弾されても仕方がないのではないか、立場が変われば見方は変わりえるのではないか、そんなことを考えたのを今でも鮮明に覚えています。


今読み返してみても、内容の古臭さは感じないです。改めて何かを絶対的に正しい、あるいは正しくないとは定義は出来ないし、したくもない、そんなことを考えたりします。



運用部 シニア・アナリスト

八尾 尚志
Yatsuo Hisashi

『湾岸MIDNIGHT』(著者:橘みちはる 出版社:講談社)

僕の人生に影響を与えた漫画は、『湾岸MIDNIGHT(楠みちはる)』です。首都高・湾岸線を時速300kmで走る人たちの物語です。


『湾岸MIDNIGHT』はある一台のいわくつきの旧車に魅了される人々の挑戦が描かれている漫画ですが、ある一種の哲学書と表現しても良いかもしれません。
著者の哲学はネットでは「ポエム」と表現されることもありますが、その思想は経験主義だと捉まえています。


機械であるクルマに対し、あらゆる面から向き合い、あと1馬力、あと1km/hを追い求め、高い次元でのバランスが取れたチューンドカー(改造車)を作る終わりのない挑戦が様々な登場人物を通して行われます。その中で、数々の名言が登場します。例えば、

「ーーーそれが800馬力のフルチューンGT-Rでも 100馬力のキャブ車でも同じーーー 

 パワーが上がればバランスはくずれる さらに手を入れまたひとつ上でバランスをとる

 何もかもひたすら消耗してゆく 果てしないドロ沼だ だがそれが正しい それが速さを求め続ける代償なんだ」

です。様々な計器を使って「バランス」を追い求めるのですが、職人であるチューナーは、最後の最後は経験とカンで仕上げます。また乗り手も数字上だけで速いクルマではなく、自分に合ったクルマに仕上げることを望みます。

 

資産運用におけるポートフォリオでも同じことが言えるのではないかと思っています。
大げさな話ですが、資産運用の教科書にしても良いと思うくらい、この漫画から学びました。

例えば、爆発的なリターンを叩き出すリスクの塊のようなポートフォリオにすることはそんなに難しくありません。(クルマも同じで今の時代パワーを出そうと思えば簡単に出ます。)

ただ、そのリスクを受け入れながら、高い安定性を保とうとする行為がこの仕事では大切です。(パワーが出るだけではダメで、そのパワーに至るまでの過程が大事です。) 

速いクルマづくりも運用も数字を大事にします。ただ、その数字の源である企業内の人をどう見るか・評価するかは経験とカンが活きてきます。

車と投資が好きな人には、ぜひ読んでもらいたいですね。




運用部 シニア・アナリスト

佐々木 靖人
Sasaki Yasuto

『銀河鉄道999』/『へうげもの』

僕の人生に影響を与えた漫画は、松本零士の『銀河鉄道999』(著者:松本零士 出版社:小学館クリエイティブ)です。




最初はアニメで見て、そのあと原作を読みました。

この作品に出会うまでは「死ぬことは怖いこと」、「機械の身体で永遠に生きることは、死ななくなるので良いこと」と思っていました。小学生の頃でしたので。

しかし、作品を読み進めていくうちに、「死ぬことは怖いけれど、いつか死ぬことを恐れているよりも今を大切に生きたほうがいい」「不死身の命を持つことによって、そうでない人への愛情が抱けなくなるなら、機械の身体なんていらない」と思うようになりました。こういった限りあるいのちの大切さや、科学技術進化の副作用について学んだことが、今でも印象に残っています。


他には、現在も『モーニング』(講談社)で連載中の『へうげもの』(著者:山田芳裕 出版社:講談社)という戦国時代の変わり者の武士について書かれた漫画がとても好きです。



主人公の吉田佐介は実在の人物をモデルにして描かれていて、織田信長や豊臣秀吉に仕える、いわゆる戦国時代の中間管理職のような立場です。

主人公は武道よりも茶道に心を惹かれていて、自らを表現する茶道を作りたいという自分自身の思想の表現のために、時の権力者たちと戦っていくストーリーになっています。

私自身が中間管理職であることもあり、「ここまで命がけで戦う中間管理職がいたのか!」という気持ちで面白く読んでいます。

僕自身もきちんと自分の思想のために戦う気概はずっと持っていたいなと思います。もちろん、レオスでは命がけで戦うようなことはありませんが。(笑)


運用部長
シニア・アナリスト
ファンドマネージャー

渡邉 庄太
Watanabe Shota

運用部からのコメントは、月次運用レポートで見ることができます!

読んだことある漫画は、あったかな?
この運用部へのインタビューは、ひふみ投信のお客様に毎月メール配信しているものなんだ。



ひふみ投信の月次運用レポート「ひふみのあゆみ」。
こちらでは毎月の運用報告に加え、月ごとに違うさまざまなトピックを用意して、運用部メンバーからのメッセージを掲載しています。

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