第八回ひふみの社会科見学
ひふみの社会科見学レポート
今回はファンケル100%出資の製造子会社で無添加化粧品の製造を行っている「株式会社ファンケル美健 千葉工場」を見学します。
東京駅から約1時間。千葉県流山市の東武アーバンパークライン江戸川台駅に集合し、送迎バスに揺られること約10分。
流山工業団地の中にある「ファンケル美健 千葉工場」に到着です。
地元の小学生や、同業他社など年間で約2,000人が訪れるという工場は、薄暗くて油っぽい工場のイメージとは裏腹に、まずエントランスから明るくてきれいで驚きます。
1980年に創業したファンケルさんの企業理念は「“不”の解消」
お客様の「不(不安、不快、不満)」を解消するために、安心・安全を追求し様々な企業努力を行っているそうです。
千葉工場は、全国に5箇所ある工場の中でも最も歴史が古く、1982年に設立され、主に無添加化粧品の製造を行っています。
千葉工場の特徴は2つ
① 雑菌の混入を許さない工場
無添加の化粧品は防腐剤が入っていないため、製造段階で化粧品内に雑菌が入ってしまうと製品が駄目になってしまいます。そのため、化粧品工場でありながら医薬品製造工場に近い環境で生産しています。
② 見せる工場
今回見学させていただいた千葉工場5号館は1999年に新しく増設された建物とのこと。一般のお客さんに無添加化粧品の生産を見てもらいたいということで生産ラインをガラス張りにしています。
秤量(はかる)⇒調製(つくる)⇒充填(つめる)⇒包装(つつむ)と大きく4工程にわかれています。
1つの化粧品を作るのになんと約30-50種類の原料が必要なんだそうです。
それらの原料を機械と人の手を使ってひとつひとつ正確に量っていきます。
最新技術を駆使しながらも、人の手や目の確かさを大切にしているのが伺えます。
次に、正確に量った原料を、製造釜へ投入し、混ぜ合わせていきます。
このとき製造釜で作られた化粧品は容器につめるまで外気に触れないようになっています。
千葉工場ではこのような製造釜が約20基あるのだとか。
化粧品の中身が唯一、外気に触れてしまう工程なので充填の作業は最も注意が必要なんだとか。
最後に製品を箱につめて包装していきます。
最後の包装の作業でも、従業員の皆さんは帽子、手袋を着用して清潔な状態をキープしていました。
こうして出来上がった無添加の化粧品は、工場から物流センターに運ばれて、世界中のお客様の元に届けられていきます。
工場見学が終わり、会社説明を受けた部屋に戻る途中にこんな言葉を見つけました。
「“不”の解消」を企業理念に掲げ、お客様の「不満を満足に」、「不安を安心に」、「不便を便利に」変えるために、様々な企業努力を行っているファンケルさん。
その一部を覗いただけでも、無添加の化粧品をお客さんの元に届けることに対するこだわりを大いに感じました。
そんなファンケルさんの壁に書いていた言葉は
「もっと何かできるはず」
シンプルながら、無添加にこだわり続けるファンケルさんの信念を感じることができます。
千葉工場は1991年に流山工業団地(現所在地)に移転、1999年に新工場を竣工し自動設備を強化しました。
その1999年にファンケルさんは上場。上場で集めたお金でこの流山工場を増設したそうです。
わたしたちが企業に投資したお金は、企業が掲げる理念を実現するために使われているということを改めて実感することができた社会科見学でした。