決算説明会ではどんなことに注目しているの?

教えてひふみろ

レオス・キャピタルワークスの運用部には3ヶ月に一度、繁忙期が訪れます。
この時期の運用部のデスク周りはご覧の通り。
どうやら運用部のメンバーは企業の決算説明会に出かけているようです。

決算説明会とはどういうものなのか?どんな企業の決算説明会に行っているのか?決算説明会の見るべきポイントはどういったところなのか?
ひふみろが運用部シニア・アナリストの八尾と蛭田に聞いてみました。

決算説明会?

3ヶ月に一度、運用部のメンバーがほとんど社内にいない時期があるんだよね。
みんなどこに行ったんだろう?ちょっと聞いてみよう!
だれかいないかな?
あ、蛭田さんがいた!
ねぇねぇ蛭田さん

ひふみろくんどうしたの?

3ヶ月に一度、運用部メンバーがほとんど社内にいないときがあるんだけど、みんなどこに行っているの?

今の時期は、企業の決算説明会に行っていることが多いんだ。

決算説明会?

株式市場に上場している企業は、「決算」といって1年に1回、売上や利益がこれくらいで、会社の資産や負債がこれくらい変化しました、といった情報を開示しなければいけないんだ。決算説明会とは、その途中経過を年に2回あるいは四半期に1回程度、企業の社長や経営陣が投資家向けに説明する説明会なんだよ。

なるほど。
だからみんな社内にいないことが多いんだね。
色んな企業の決算説明会があると思うけど、全部に出席できるわけではないよね?
だとすると、みんなどんな企業の説明会に行っているの?

ぼくの中の優先順位は
  1. 投資している企業
  2. 投資している企業の競合他社、業界のリーディングカンパニー
  3. 注目しているテーマに関わる企業、地方の企業
投資している企業の業績や、業界の流れを掴んだり、普段なかなか訪問する機会がない企業の説明会に行ったりしているかな。

へー、そうなんだ。
決算説明会ではどんなことに注目しながら聞いているの?

決算説明会は聞いているというよりは見ていると言ったほうがいいかもしれないね。

見ている?

そうだね。企業のトップが、業績や今後の方針を「どんな表情をして語っているか」といった数字には表れない雰囲気や自信を見ているんだよ。
他にも、参加者からの質問に対してどんな返答をしているか、誰が返答をしているかも大切なポイントだったりするんだ。

なるほど。
聞きに行くというよりは見に行っているのか。
経営陣の表情や立ち居振る舞いを自分の目で確かめることも重要なんだね。

キ―カンパニー?

ただいまー。

あ、八尾さん、おかえりなさい!

おー、ひふみろくん
どないしたん?

いま、蛭田さんに決算説明会に出席するときのポイントを聞いていたんだけど、八尾さんも蛭田さんと注目しているポイントは同じなの?

そうだね。ぼくもだいたい蛭田さんと同じで、投資している企業と注目している業界のキーカンパニーに話を聞きに行っているかな。

キーカンパニー?

業界内のシェアが高く、今後の業界動向のカギを握りそうな企業の決算説明会に継続的に参加して「どういう理由でその決算になったのか」を聞くことで、業界の大きな流れを知ることができるんだ。

なるほど。
決算説明会ではどんなことに注目しながら聞いているの?

ぼくは企業の変化に注目しているかな。
業績の変化はもちろんだけど、決算説明会で配られた資料の内容や形式が例年と変わったり、プレゼンテーションの仕方が自信満々だったり、出席者の数が前回に比べて大きく増えたりすると、「何かあったのかな?」って思うよね?
そういった企業のちょっとした変化から、企業が良い方向に変わっていこうとしているのか、あるいは悪い方向に変わってしまうのかが分かることがあるんだ。

なるほど。

決算説明会で説明している数字は決算発表会前に分かるし、説明会資料が企業のホームページに掲載されたり、各証券会社からレポートが出たりするから、決算説明会に行かなくても数字の情報は分かるんだけど、企業の微妙な変化とか温度感とかは実際に行かないと分からないからね。

株価や業績といった「数字から得られる情報」で企業分析するだけじゃなく、決算説明会などに足を運んで「自分の目で見て肌で感じた情報」も活用して投資する企業を選んでいるんだね。
八尾さん、蛭田さん、ありがとうございました!!