十勝にある「投資文化」を共有したい -ひふみフォーラム in 十勝レポートVol.1-
Rheos Now
3月31日、北海道・帯広市にて、「ひふみフォーラム in 十勝」を開催しました。
「投資は未来を信じること」をキーワードに各界からゲストをお招きして、地域の皆さま、お客さまと投資文化を分かち合うことを目指した、公開イベントです。
株式投資だけが投資なのではなく、それぞれの地域でがんばるお店でモノを購入したり、サービスを受けたりすること、そして一緒に新しい夢を見ることも、“応援”という意味では広義の「投資」になっているということを、体感していただきたい――
実は、わたしたちの商品である「ひふみ投信」についての話をほとんどしない(!)というちょっと変わったイベントで、初めての試みです。
農業からロケットまで、十勝で実際に新しい挑戦にまい進されている方々をお招きしての2時間。盛りだくさんの内容となりました。その様子を全5回にわたってお届けします。
レオスと十勝とのご縁
では、なぜわたしたちが、ロケット打ち上げのスポンサーになりたいと思ったか。
まず、わたし自身がそもそもこの「十勝」という地域を何度も訪問していて、わたしの大切な仲間、友達がたくさんいらっしゃって、非常に大好きなところだということがすごく大きいです。
皆さん、地元に暮らしていらっしゃると気づかないかもしれませんが、世界的に最高と誇っていいものがこの十勝にはたくさんあるんです。
わたしは六花亭のホットケーキが宇宙一美味しいホットケーキだと思っています。あと、宇宙で一番美味しいスイートポテトがクランベリーのスイートポテトですし、宇宙で一番いい温泉がモール温泉で…
そして何よりも人がいい。なんで十勝の人ってこういい人が多いんだろうと考えてみるのですけど、もしかすると晴天率も関係しているかもしれませんね。スカッと晴れる十勝晴れ、十勝ブルーの中に住んでいる人たちというのは、気持ちも晴れ晴れとしているんじゃないかと。仕事柄いろんな地域に行きますけれども、ここまでスカッと明るい人がたくさんいる地域っていうのはすごく珍しいんです。
ロケットの打ち上げに感動して
インターステラ社の創業者である堀江貴文さんは、昔からの友人でした。ただ最初、実はわたしはロケットに何の興味もなかったんですね。「ロケットに出資してよ。スポンサーになってよ」と堀江さんから聞いてもですね、「ロケットはねぇ、あんまり興味ないから」って言っていたんですよ。
ところが、第一回目の打ち上げをインターネット中継で見ていまして。何度となく打ち上げようとして、「GOだ」「いやNO GOだ」。いかない、いけない、打ち上げられない。そういうことが何度もあって。2日目の夕方にやっと打ち上がったわけです。
でも宇宙には到達せず、途中で破壊ボタンを押すことになった。
それを見ているとこう、胸が熱くなって。本当に気持ちが、何だろうこう、ギュッとなってですね。これ何とかしたいなぁと思って、もちろん後で十分な議論をして社内決定したのですが、その時すぐに堀江さんに「次やるなら応援するから」って、Facebookのメッセンジャーで送ったんですね。
わたしたちの考える「投資」について共有する場
彼らの挑戦する姿に胸が打たれて、メッセージを送ってしまったわけです。それは一見、投資という儲けることを目的にした会社としてはあるまじき決断のようにも思えるかもしれません。
ですが、わたしたちの考える投資というのは、お金でお金を生むことを目的とした短絡的な博打ではなくて、ある地域、ある会社、ある人たちに賭けて、その人たちの夢を繋ぐことなんです。
十勝は自分自身が大好きな場所というだけではなくて、このロケット事業に代表されるようにチャレンジの風土、「投資の文化」がある土地です。すごく将来性、可能性のある地域だと思っています。だから、具体的に十勝の事例をご紹介することが、わたしたちの考える投資とはどんなものなのか、投資文化とは何なのかを改めてお伝えすることにつながるのではないかと。それでこの十勝でフォーラムを開催することにいたしました。
実はこのフォーラムの開催に合わせて、普段東京で働いている社員のほとんどが十勝に集結して、社員研修を行っています。地域にはこんなに素晴らしいチャレンジが溢れていることを知り、レオスがスポンサーとなったロケット事業がどういうものなのか、社員が一人ひとり自分の目で見て、気持ちを一つにするためです。
このフォーラムでは、多くの人が不可能だと言ったチャレンジを、自らの意志をもって実践し、仲間を増やし、成功まで導いてきた4名のゲストをお招きしています。ゲストの方々は皆さん、この十勝で具体的な取り組みを進めている人ばかりです。
なぜこのような人たちが十勝に集まるのか。場所が持つ力と人の関係性、そして未来へ繋いでいくということをキーワードに、各登壇者のお話をお聞きいただきたいと思います。
ひふみフォーラムレポート・Vol.2に続く
取材・文:神宮司 亜沙美
北海道大樹町出身、在住。大樹町地域おこし協力隊を経て独立。北海道の作り手の物語を届けるオンラインショップ「北海道ローカルマーケット」を運営する他、ストーリーの届け手として企業の情報発信をサポートしている。写真:澤田 希望