ひふみ投信の基準価額変動について運用責任者からのメッセージ

ニュースリリース

いつもひふみ投信をご愛顧いただきありがとうございます。

本日の日本株式市場は、TOPIXがプラス70.16ポイント(+4.90%)、日経平均株価がプラス750円56銭(+3.88%)と上昇しました。このような中でひふみ投信も前日比プラス2,325円(+6.02%)と上昇いたしました。

昨今の株価変動について不安を感じていらっしゃるお客様へ、少しでも不安の軽減につながればとわたしたちの考え方、そしてマーケットの見通しを改めてお伝えいたします。

運用責任者 藤野英人より

本日のひふみ投信の基準価額は前日比プラス2,325円(+6.02%)と上昇いたしました。

本来は基準価額が大幅に下落したときにこのようなレポートを出しています。なぜ大幅上昇のときにこのようなレポートを出すのかというと、上昇はしたものの値動きの激しさがストレスに感じるお客様が多いのではないかと考えたからです。 

過去を振り返ってみると、基準価額が5%以上上昇をした日は今回を含めて10回ありますが、リーマンショック後の2008年(4回)を除くと、過去の5回はいずれもこのあと半年以上にわたり基準価額は上昇しています。

まずお伝えしたいことは、しばらくマーケットは上下に激しく動く可能性が高いということです。したがって、値動きに注目しすぎるとハラハラドキドキしすぎることになります。長い時間かけて投資を続けていくにはこのような変動率が高い時期もあるということをお伝えしたいと思っています。このような相場に向き合う一番の方法はつみたてで分散投資をし続けることです。「基準価額×保有口数」で計算される投資信託の評価額は、下がった時には多くの口数を買うことができるため、基準価額が下落前の水準に戻った際、評価益につながります。

これは機会あるたびにお話をしていることなのですが、最終的には株価は企業の業績に収斂していきます。
過去を振り返っても長期的に収益を上げている企業は長期的に高い運用成果をあげており、ひふみではそのような会社にたくさん投資をしています。さらにはこの下落相場の中では今まで株価水準が高いと判断して見送っていた複数のすばらしい企業への投資を行なうこともできました。それらの企業の株価は本日も大きく上昇をしてくれたので、基準価額の上昇に貢献をしてくれています。とはいえ、そのような短期的な収益を求めているわけではなく、これからももっともっとひふみのパフォーマンスに貢献をしてくれるでしょう。

お客様の資産を長期的に増やしていくために、引き続き全力を尽くしてまいります。
2019年も全力でがんばりますので、引き続きひふみをよろしくお願いいたします。

代表取締役社長 
最高投資責任者
藤野 英人

経済調査室長 三宅の目

本日(12月27日)の日本株は、昨日の米国株の急反騰(S&P500種が前日比+4.96%)を受けて、日経平均株価も前日比+3.88%、TOPIXが同+4.90%と大幅高になりました。

世界同時株安の震源地になり、日本株の大幅続落の主因となっていた米国株が2009年3月以来の上昇率を示したことで買い安心感が広がると同時に、売り方(先物売りや個別株の信用売り)の買い戻しが急反発の原動力になったとみられます。

今後の日本株に関しては、米国株下落の主因が後退・払拭するのか否かがカギになると推察されます。

先日、ご報告致しましたように米国株の急落は、①米中貿易戦争の激化や、②米金融政策に対する不信感が主因として挙げられますが、③加えて、国境の壁予算の合意ができず米政府機関の一部閉鎖や、マティス国防相の辞任(実質的な更迭)など、トランプ大統領の「米国第一」政策に対する警戒感(政治不信)が重石になりました。米国株の急落が米国(世界)経済の失速懸念を高め、それがさらに株安を招く悪循環にあったと推察されます。①や②などが今後どうなるかが焦点とみられます。

米中貿易戦争の激化はリスク要因ですが、米国が中国に与えた追加関税引上げの猶予期間は3月1日までの90日間で、米中の交渉が1月早々からスタートし、貿易戦争に改善の動きが出てくるのか否か早晩はっきりするでしょう。出てくれば市場に安心感が広がり、株式市場は底入れ・反転の動きを強めると予想されます。ただし、米中貿易戦争は技術や軍事面における覇権争いが底流にあり、貿易戦争に絡む悪材料を消化しながら、株式市場が耐性力をつけていくには紆余曲折も予想されます。
また、米国の金融政策はFRB(連邦準備制度理事会)が市場の声もききながら政策転換を図るとみられます。2019年の早い時期に、一端利上げを休止する、あるいは利上げを打ち止めにするといった方向性を示唆するのではないでしょうか。次回1月29~30日のFOMCが注目されます。

なお、暴力的な株価急落など市場からの催促に対して米政府・金融当局はかたくなな態度を続けることができない構図があります。まず、株価動向がいろいろなルートを通じて経済の中核である企業の設備投資や個人消費に影響を与える度合いが強くなっていることが挙げられます。株価の大幅下落は経済の失速リスクを高めます。さらに米国株式市場における所有者面からみた大衆化(いわゆる「年金資本主義」)が挙げられます。

2018年は401k(確定拠出型企業年金)が米国に導入されて40周年になりますが、特に近年では非常に多くの雇用者(選挙民)が401kを通じて間接的な株主になり、彼らの年金受給額などが株式市場と連動する度合いが高まっています。米国株式市場において個人の持株比率は直接保有が37.5%、年金や投資信託を通じた間接保有が40.3%に達しています(約80%を個人が直接・間接に保有しています)。
つまり、株価の大幅下落は米国民(非常に多くの有権者)の不満や政策不信を著しく高めます。株価下落要因が海外の紛争や災害などにあり、米政府・金融当局がどうにもできないのならばいざ知らず、今回の米国株の急落はかなりの部分、米国自身の問題です。2020年に大統領選挙を控え、政策不在が半年、1年と長引くことはないとみられます。米国株の今後を占う上でも重要とみられます。

本日の日本株は大幅に反発しましたが、バリュエーション面では割安ゾーンに位置しています。
今後も乱高下を交えそうですが、やや長い目でみれば、投資好機の局面にあるとみられます。安倍政権になり、日本でも企業統治制度の強化のためにスチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードが導入されましたが、日本の企業文化(コーポレートカルチャー)は継続的な企業価値向上に努める方向に着実に変革しているとみられます。外部環境が悪化する場合には収益拡大が一時的に踊り場を迎えることはあり得ますが、株主資本利益率(ROE)を継続的に向上させようとする日本企業が増えていることは、世界の中においても日本株の魅力の1つと考えられます。

運用本部 経済調査室長
三宅 一弘