ひふみ投信の基準価額変動について運用責任者からのメッセージ

ニュースリリース

いつもひふみ投信をご愛顧いただきありがとうございます。

本日の日本株式市場は、TOPIXがマイナス31.69ポイント(-1.99%)、日経平均株価がマイナス391円43銭(-1.82%)と下落しました。
このような中でひふみ投信も前日比マイナス1,411円(-3.22%)と大きく下落し、お客様にはご心配をおかけしております。

ひふみ投信の基準価額下落にともなう臨時レポートは原則、基準価額が5%以上下落したときにお出ししています。今回の基準価額の下落はその基準より小さいのですが、昨今の株価変動について不安を感じていらっしゃるお客様へ、少しでも不安の軽減につながればとわたしたちの考え方、そしてマーケットの見通しを改めてお伝えいたします。

運用責任者 藤野英人より

ひふみの基準価額の下落について多くの方にご心配をおかけしていることを、心よりお詫び申し上げます。

株式市場については値上がりも値下がりも実際の価値と比較してしばしば行き過ぎることがありますが、最近の株価の下落については、甚だ行き過ぎていると感じています。
株価が下落すると多くの投資家の不安感が増し、結果的にパニックを起こしてしまい、狼狽売りにつながることがしばしばあります。今回もそのような状況になっていると考えています。またそのような時は同様に機関投資家も狼狽売りをすることが少なくなく、彼らが保有している優良銘柄も一律に売られてしまうことがあります。そのような時は、むしろ成長性の高い優良株ほど売られることがこれまでの経験の中でよく見た現象です。今回はそのような状況が重なり、わたしたちが自信を持っているすばらしい会社が必要以上に売り込まれています。

今日もわたしたちが投資する企業の社長と面談をしてきました。その会社の株価も大きく下落して、パフォーマンスには残念ながら貢献していないのですが、彼らのビジネスは非常に好調で、かつ来年も再来年も明るいビジョンを描いていました。
成長を続け、未来にとても自信を持っている会社をひふみではたくさん保有しています。そしてその中の一部の企業は株価純資産倍率も1倍を大きく下回り、資産価値よりも安くなっている割安の状態です。


外部環境を見てみると、米中貿易戦争はこれからも続くかもしれませんし、景気の悪化トレンドも来年はさらに加速するかもしれません。しかし、株価はそれに先駆けて下がっていますので、この先だんだん下げにくくなってくるでしょう。そうなってきたら、株価の反転時期です。

わたしたちは元気いっぱいに日本や世界を駆けまわり、よい企業を発掘しています。
今後も、米中貿易戦争の今後や経済の見通しについてより多くの発信もしていきますし、常に率直で正直であり続ける姿勢は変わらず持ち続けてまいります。 

日ごろのご支援や叱咤激励のお言葉についても感謝しております。
引き続き全力を尽くしてまいります。

代表取締役社長 
最高投資責任者
藤野 英人

経済調査室長 三宅の目

本日(12月18日)の日本株は前日の米国株急落(S&P500種 前日比-2.08%)を受けて、日経平均株価が前日比-1.82%、TOPIXが同-1.99%の下落となりました。

今春以降、米中間で貿易戦争の様相が強まりましたが、9月までは米国株堅調に対して中国株は軟調と明暗2極化でした。ところが、10月以降、米国も返り血を浴びる形で、同時株安の様相となっています。このところの米国株の急落要因として、いくつかの要因が重なりましたが、主として米中貿易戦争の激化や、それに伴う米国(世界)経済の失速リスクが挙げられます。

 米国経済はこれまでの金利上昇などで住宅市場に悪影響が出てきていますが、消費者信頼感や所得・雇用環境は堅調です。
米国家計の負債残高は、可処分所得や総資産残高に比べて健全水準にあり、行き過ぎた状況ではありません。
米景気が失速でも過熱にもならず、緩やかに減速(ソフトランディング)するのか、利上げ打ち止めのタイミングがいつなのか、が今後の注目ポイントです。
米国の名目潜在成長率は約4%(実質値2%+インフレ率2%)と推察されますが、長期金利が上昇し、4%に接近するようですと、投資抑制など景気失速リスクが高まります。しかし、インフレ率が安定している中でFRB(連邦公開市場委員会)は2019年前半にも利上げ打ち止めに動くことを匂わせています。おそかれはやかれ金融政策の転換点が、現実になるようですと、長期金利は低下・安定化の動きになり、米国景気の失速リスクが低減するとマーケットは好感するでしょう。

懸案の米中貿易戦争は、12月1日の米中首脳会談で、米国が1月1日から2,000億ドル相当の中国輸入品に対して追加関税を10%から25%へ引き上げる予定でしたが、3月1日まで猶予が決まりました。その間に中国政府は、国内産業の保護・優遇政策を是正し、市場開放などを進めなければなりません。米国が納得できなければ追加関税が引き上げられ、中国経済は大きな打撃を受けます。中国が思い切った対応をするのか否かが注目されます。


中国の政治面では、習近平指導部の政策が8月以前と9月以降で大きく変わったとの指摘があります。
夏の北戴河会議で共産党長老から習近平指導部に対して、①習近平に対する個人崇拝や、②対米外交の失敗に対して強い批判が寄せられたようです。特に②に関しては、習近平指導部が、爪を隠して無用な摩擦を避ける政策と真逆の強国政策を打ち出し、米国との関係が極めて悪化したことが主因と言われます。12月19~21日に中国の来年の経済政策を検討する中央経済工作会議が開催されますが、中国政府はどのような対米改善策を打ち出すのか注目されます。例えば、農産品や航空機などの輸入促進策、知財権保護の強化策、中国製造2025の延期など、トランプ政権がある程度納得できる対策が打ち出されるようですと、休戦ムードが高まるでしょう。

繰り返しとはなりますが、日本株をはじめ主要国株式市場や、世界経済にとって米中貿易戦争の激化がリスク要因です。
上述のように改善に向けた動きが出てくるのか否か、早晩はっきりするでしょう。出てくれば市場に安心感が広がり、株式市場は底入れ・反転の動きに転じると予想されます。なお、米中貿易戦争は、技術や軍事面における覇権争いの様相が底流にあり、両国の攻防戦が長期化し、マーケットにとっての重石が継続する可能性は否定できません。
米中貿易戦争に絡む悪材料を消化しながら、株式市場が耐性力をつけていくにはもう少し時間がかかると見ています。

 

運用本部 経済調査室長
三宅 一弘